クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王
劇場版クレヨンしんちゃんを前作観てみようかなと思い立ち、
まずは第1作目。
色々懐かしい
今とは少し違う初期クレヨンしんちゃんのノリがある。
懐かしの主題歌「オラはにんきもの」。流行ったなあ。
青野武、郷里大輔、納谷六朗、野沢那智、増岡弘、井上瑤(敬称略)
そして藤原啓治さんといった、今は亡き名優の方々の共演は観ていて心地よい。
日常生活の描写が序盤とても多いのだが、それがとても細かく思えた。
原作が元来そういう作品だが、こんなアニメ映画は当時あまり多くなかったのではないかと思う。朝、踊りだす曲をかけてみんな踊りだすことで強引に起きるシーンは、演出もアニメーションの滑らかさもとても素敵。
しかし、「オトナ帝国」でもそうだったけど、序盤の敵の侵略の攻め手が結構怖い。
日常がいつの間にか浸食されてる感じ。
物語の展開のさせ方とかスタッフの方たちが職人気質な人達なんだろうなって気がする。アニメ畑でずっとやってる人たちなんだろうなって。
調べたら劇場版ドラえもんやなんかを作ってる人たちだったんだけど。
それが「そんな漫画映画みたいな話」「パターンだよな」って、
作中でキャラに言わせちゃうのは、クレヨンしんちゃんだからこそできる自虐的なセルフパロディでとてもよかった。
登場するキャラが必ず1回そのキャラらしいキメポーズとるのとか、しんちゃんの三輪車が発進する時に1回みさえと揉めて全く同じ発進やり直すのとかも、
正にクレヨンしんちゃんだからだなって感じる。
ハイグレ光線のビームの音とか、マクロスのバルキリーのガンポッドと一緒だったと思う。ハラマキレディース対しんちゃんのシーンもちょっとマクロスっぽい。各種エフェクトも。
80年代後半から90年代によく見られた技法で作られてて、個人的には懐かしくてとても見やすかった。間違いのない作り方。
また、メカニックデザインがシンプルだけどかわいくて面白い。色彩とか。
特に三輪車とティーバック男爵の乗り物の変形なんかはとても良かった。
タイトルの割にアクション仮面の出番が中盤全くないけど、そこはしんちゃんが主人公として頑張って、クライマックスは魅せてくれる。
しんちゃんとハイグレ魔王がとにかく卑怯なのに対して、アクション仮面は最後までとにかく真っ直ぐな男でかっこいい。
メイトリックス大佐対ジョン・マクレーンみたいですげえ作品だな。
帝都大戦
映画「帝都大戦」を、
最後まで観なかった……
なんだろう、この前作と打って変わった安っぽさは……
それなりに映画とかを観てきてる経験から稀にある、物語序盤での「あ、この映画たぶんつまんねえな……」って思ってしまう作品。最後まで観衆を引き込む力が全然ないタイプの映画。
昔はやたらめったら何事も経験で、どんな作品でも観てみたけど、
最近は配信で見放題なんてのが主流且つ、自分が歳とったせいもあって、
こういう映画に割く時間が無くなってしまったなあ。
前作にあった物語の重厚さと壮大さみたいなものが全く感じられない。
同じキャラを使って、戦中なんていう激動の時代を描いているにもかかわらず。
娯楽作品らしいわかりやすすぎるカメラ演出、戦中の割に綺麗すぎる人物や建物セットとかのせいだと思う。やはり予算の問題なのだろうか?
全く別物として観ればいいんだろうけど。
でも加藤が登場がせっかく出てきて嶋田久作さんが完成されたビジュアル造形を作ってるのに、
キャラクターとしてはメインじゃないみたいで序盤の登場頻度が少ないのと、
単純なヒーローもの作品にしつこく出てくる悪役(ドロンボー一味みたいな)みたいな扱いで、前作の謎めいた得体のしれない存在ではなく、これまた引き込む力が弱い。
演出と物語の構成の問題だと思う。
この物語の最大の魅力は加藤、嶋田久作さんに対して帝都という巨大な都市を守る人々の、それぞれの人生をかけた攻防の歴史であり、その中心にあるのが平将門なのに、
どう考えてもそれを活かしてるとは思えない。
物語40分、半分ぐらいやって見せ場のシーンがどこかわからん、何を描きたいのかが。
ついてくのがしんどい。
スタッフ違うだけでやっぱり違うなあ、と、改めて感じました。
帝都物語
映画「帝都物語」を観ました。
とにかく思ったのは、
金かかってんな~~~!!
と、いうこと。
めちゃくちゃ豪華なキャスト(いきなり平幹二朗と勝新と大滝秀治登場から始まる)
ありとあらゆる種類のセットと特殊効果
同じく色んなパターンの特撮とCG(80年代の作品として非常にクオリティが高い)
出てくる人(エキストラ)の多さ
日本初のハイビジョン撮影による映像の綺麗さ
とか、それを2時間半近くやるのが本当にすごい。
スタッフもとにかくすごいメンツ。
演出は80年代のものなんだけど、
実相寺昭雄監督を筆頭に中堀正夫さんや浦岡敬一さんという、ウルトラマンを作った人たちのカメラワーク、カットの切り方、それによるテンポの良さは今観ても古くなく飽きさせない作りになっててすごいと思う。
他にもコンテ作画が樋口真嗣、スチールが原田大三郎、音楽が新日本フィルハーモニー交響楽団、そしてコンセプトデザイナーがH・R・ギーガー。
ばかみたいなメンバー。
(でも、翌年公開の「ガンヘッド」のが制作費はかかってるみたいだから、
やっぱガンヘッドは金食ったんだろうなーと。改めて。めちゃくちゃ好きだけど)
ストーリーはちょっとわかりにくいとこもあってwikiとかを見ながら補完したが、
役者さんはとても良かったと思う。
一部、登場したキャラには実在の人物もいたのだが、
本物の資料写真なんかにめちゃくちゃ似てた。
原田美枝子さんはいつ見てもきれいな方なんだけど、
クライマックスのシーンは終始かっこよくて凛々しかった。
そしてやはり魔人カトー、嶋田久作さん。
とてつもないインパクト。後の様々な作品に影響を与えたとされる強烈なビジュアル。
映画初出演・初主演というのを全く感じさせない存在感と演技がすごい。
よくこの人居たよなと思う。
てか、後から知ったけどこいつが主人公なんだよな・・・・
ストⅡのベガが主人公のSF、しかも明治以降の近代が舞台のパラレルワールドで神話やオカルトっていうのは斬新だったろうなあ。
さて、次回は帝都大戦を。